台湾の行政区画

last update : 2021/02/17

台湾の住所表記 も併せてご覧ください

行政区画

直轄市
(市)
(旧)台灣省 (旧)福建省

(省級市)
台北市
新北市
桃園市
台中市
台南市
高雄市
基隆市
新竹市
嘉義市
新竹縣
苗栗縣
彰化縣
南投縣
雲林縣
嘉義縣
屏東縣
宜蘭縣
花蓮縣
台東縣
澎湖縣
金門縣
連江縣
市轄區
(區)
縣轄市
(市)
竹北市
苗栗市
頭份市
彰化市
員林市
南投市
斗六市
太保市
朴子市
屏東市
宜蘭市
花蓮市
臺東市
馬公市
金城鎮
金湖鎮
金沙鎮
金寧鄉
烈嶼鄉
烏坵鄉
南竿鄉
北竿鄉
莒光鄉
東引鄉

直轄市

日本以外の国家ではよく目にする国家直轄の都市自治体です。無理やり日本で例えるなら東京23区全体を管轄する自治体に相当といったところでしょうか。

2019/1現在では台北市・新北市・桃園市・台中市・台南市・高雄市の6市が該当します。
基本的には後述する「省級市」と「縣」を統合、もしくは「縣」が丸ごと直轄市に移行する例がほとんどです。(台北市と新北市は例外)

以前は移行対象の地域の人口が200万人以上となっていたようですが、現在は125万人以上で政治・産業・文化などで中心的な役割にを持っていることとされています。

また、ある程度権限が拡大されており国を通さなくても色々な施策や財政決定などができるようで、例えば市區公車の管理は交通部公路總局ではなく直轄市下の交通局が行っています。

現在は直轄市が増えたこと、中國國民党が方針としてきた中国大陸反攻が事実上頓挫したこと等々の事情もあり、行政機能も解体され申し訳程度の枠が残っているのが現状。
その枠も2018年7月に消滅しました(省虛級化)。

台灣省は台湾本島と澎湖諸島、福建省は金門縣と連江縣が管轄でした。
現在は古い車両のナンバープレートで目にする程度です。

また、省道(日本の国道に相当する道路)はかつて省が管理していた名残として残っています。

ちなみに台湾省政府は南投縣南投市の「中興新村」に所在しており、現在は一部政府機関が残っていたり、部分的に観光地化しています。
台中市中心部(台鐵台中車站)からバスで一時間強くらいです。

市(省級市)

法令上は得設市とされ、かつては省級市・省轄市などとも呼ばれていた模様。
上述の省が消滅したため、現在は単に「市」という扱いになっています。

現在はぱっと見では規模が小さい直轄市のように見えますが、実際は小さい縣のような扱いとなっています。

後述の縣轄市の規模が大きくなって独立しているといった印象ですが、縣轄市から省級市へ昇格した例は存在せず、現在は高雄市・台中市・台南市・桃園市の例ように省級市と縣をまとめて直轄市へ移行させているようです。

移行条件は人口50万人以上125万人未満で政治・産業・文化などで重要な役割にを持っていることとされています。

県の旧字体で、日本の県に相当します。
役割は前述の省級市とほぼ同等です。

立ち位置的には直轄市と同じように見えますが、公共交通が国家の機関が管轄だったりします。

市轄區(區)

直轄市や省級市の下位の行政区分です。
いわゆる東京23区や日本の政令指定都市の区に相当します。

縣とその下の市・鎮・鄉がそのまま移行しているため、人口は上を見ると新北市板橋區の約55万人、最小は台南市龍崎區の約4000人、山地原住民區まで含めると高雄市茂林區の約2000人と大きく開きがあります。

また、原住民居住地区で一定の自治権が与えられている行政区は「山地原住民區」と定義される場合もあります。

なお、區長というポジションは存在していますが、後述の縣轄市・鎮・鄉は民選ですが、區は市長による任選のようです。

縣轄市

日本で言うところの県庁所在地のような自治体です。複数の縣轄市が存在する縣もあります。(例:彰化縣の彰化市と員林市など)

昇格条件は人口10万人以上50万人未満で商工業・公共施設・交通網が十分に発達していることとされています。

日本で言うところの小規模の「市」、もしくは市への移行条件を満たしている「町」相当の自治体といったところでしょうか。英語表記だと「Township」です。

日本の媒体だと安直に「町」相当の自治体と解釈しているケースも多いですが、それだとちょっと発展し過ぎに感じる「鎮」は多い気がします。
最大は南投縣草屯鎮の約97,800人、最少は台東縣關山鎮の約8,700人と10倍以上の開きがあります。

以前は「鄉」からの昇格条件は人口6000人以上でという規定があったようですが、現在は特になくなった模様。

日本で言うところの「村」に近いですが、台湾ではさらに下位の行政区分に「村」が存在するため、下手に村扱いすると混乱を招くので正しくありません。
英語表記でも「鎮」と同じ「Township」です。

また、市轄區と同様に原住民居住地区で一定の自治権が与えられている行政区は「山地原住鄉」や「山地鄉」と定義される場合もあります。

里・村

市・區・鎮・鄉の下位に存在する台湾で最下部に属する行政区画です。
上位の行政区画が市・區・鎮は「里」、鄉だと「村」になります。
英語表記だと里・村どちらでも「Village」になります。

日本で例えるなら「町」や「大字」に近いでしょうか。実際に日本統治時代の町・字から区画が移行したものも多く存在する模様。

ちなみにこの里長や村長も民選です。
現在は兵役絡み・農業・災害被災に関する一部の証明書の発行等を行っているようです。

また、通常の住所表記では里・村以下は一般的に用いません。
ただし人口が希薄な地域など道路名が振られていない場合などは里・村を用いる場合があります。

里・村をさらに区画や集落単位に分けたもの(かと思われる)。日本で言うところの「丁目」や「字」が近いでしょうか。

これも通常の住所表記では用いません。

近年の行政区画の変遷

施策や財政の決定などは直轄市・(省轄)市・縣が行っているようで、それより下位の區・縣轄市・鎮などは、その地域の管理・住民や農商会の意見を取りまとめて上位の機関に提出する程度の役割しか持っていないようです。
そのため、わざわざ変更にかかる費用をかけて昇級を行うメリットが低いためか日本ほど頻繁には行われていません(里・村以下は調べてないので不明、というか無理)

直近30年くらいでは直轄市への移行と縣政府所在地の移動を除くと、地方制度に関する法令改定のタイミングくらいでしか行われていません。

・1981年に台灣省各縣市實施地方自治綱要の改定で「縣政府所在地を縣轄市とする」となったため、苗栗市・南投市・斗六市・新營市(台南縣)・馬公市が鎮から縣轄市へ昇格
・1982年に嘉義市が嘉義縣の縣轄市から省轄市へ移行、そのため嘉義縣朴子鎮が縣轄市へ昇格
・1982年に新竹市が新竹縣の縣轄市から省轄市へ移行、そのため竹北鎮が竹北市へ昇格、同縣の香山鄉は新竹市香山區へ
・1991年に嘉義縣が縣政府所在地を太保鄉に移動したため太保市へ昇格
・1992~2010年の間に桃園縣平鎮鄉、台南市永康鄉、台北縣土城鄉、台中縣大里鄉、桃園縣八德鄉、台中縣太平鄉、台北縣蘆洲鄉が縣轄市へ昇格
・1999年に省縣自治法が廃止になり地方制度法が施行、同年に台北縣汐止鎮と台北縣樹林鎮、2010年に桃園縣楊梅鎮が縣轄市へ昇格
・2010年に4つの直轄市が誕生、高雄縣と高雄市が高雄市、台北縣が新北市、台中市と台中縣が台中市、台南市と台南縣が台南市へ移行
・2014年に桃園市と桃園縣が直轄市の桃園市へ移行
・2015年の地方制度法改定のタイミングで彰化縣員林鎮が員林市へ、苗栗縣頭份鎮が頭份市へ昇格

それぞれの區・縣轄市・鎮のWebサイトの「本公所沿革」「歷史沿革」「認識〇〇」などのページを見るとたいてい明・清王朝や日本統治時代からの変遷が出ています。

(↓例)
昔時今日-土城區公所
https://www.tucheng.ntpc.gov.tw/content/?parent_id=10279

情報リンク

內政部全球資訊網-中文網-地方制度
https://www.moi.gov.tw/cl.aspx?n=153

地方制度法-全國法規資料庫
https://law.moj.gov.tw/LawClass/LawAll.aspx?PCode=A0040003

省縣自治法-全國法規資料庫
https://law.moj.gov.tw/LawClass/LawAll.aspx?pcode=A0040001
※1999年に廃止

中華民國行政區劃 – 維基百科
https://zh.wikipedia.org/wiki/中華民國行政區劃

臺灣行政區劃 – 維基百科
https://zh.wikipedia.org/wiki/臺灣行政區劃

國家發展委員會檔案管理局-檔案支援教學網>民國34年至87年臺灣議會與地方自治發展>地方政府與地方自治
https://art.archives.gov.tw/Theme.aspx?MenuID=790

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